Frank H. Netter, M.D. 著/相磯貞和 訳/南江堂
『ネッター解剖学アトラス』は、医師であり医学イラストレーターでもあったFrank H. Netterによる解剖学書です。骨や筋肉、神経、血管、内臓など、人体のさまざまな構造を精密なイラストによって描いた、世界的にもよく知られている解剖学アトラスのひとつです。人体をただ平面的に描くのではなく、浅層から深層へのつながりや、それぞれの組織の位置関係が分かるように工夫されているのも特徴です。今回は、整体を学び始めた頃から持っているこの一冊について振り返ってみます。
① この本を手に取った理由
整体の学校で、推薦教科書のひとつとして購入しました。なので、自分から「この本が欲しい」と探して買ったというより、整体を学び始めるにあたって必要な教科書として手元に置いたのが最初です。
② 印象に残ったこと
実は初期の頃は、あまり活用することができませんでした。絵は綺麗だなとは思っていたんですが、整体を始めたばかりの頃は、そこまで解剖学を重視していたわけでもなかったので、あまり本を開くこともなかったですね。それが年々、整体を続けていく中で活用することが増えていき、今では、とりあえず教科書的な解剖図を見たいと思ったときには欠かせない一冊になっています。
③ 僕はこう感じた
今は解剖アプリもありますし、PCで作られた精密な解剖図を見る機会も増えました。でも、それらとはまた違った独特の見え方というか、ネッターの絵だからこその発見があるように思います。そして、あらためてこれを手で描いていると思うと、凄いとしか言えません。浅層から深層へ身体の中を見せるときにも、メスで切った表層の筋肉をピンセットなどでめくり上げ、その奥の構造が見えるように描かれていたり、ヘルニアなどの病変の状態が描かれていたりします。「こんな絵もあったんだ」と、見開くたびに発見があって、そのたびにこの本のクオリティに感心します。
④ 整体や日常とのつながり
一時期は店内にネッターのイラストを貼って、お客さんにも身体の構造を見てもらいたいと思っていたこともありました。ただ、思っていたほどリアクションがなかったのでやめました。リアルすぎたかな(笑)。今は、施術や勉強をしている中で、ふと「ここはどういう構造になっていたっけ?」と気になったときに確認する、解剖学の参考書として使っています。最初から最後まで読むような本ではありませんが、何か構造が気になったときに開けば確認できる。僕にとっては、そんな欠かせない一冊です。
⑤ こんな人におすすめ
おすすめしたいのは、整体師やセラピストなど身体を扱う仕事をしている人や、解剖学に興味がある人です。解剖学アトラスにはネッターのほかにも『プロメテウス』などメジャーなものがありますが、そのあたりから自分に合ったものを一冊、手元に置いておくことは必ず役に立つと思います。僕のネッターも、買ってから数年は新品のように綺麗なままでした。それが今では、写真の通りだいぶ年季が入りました(笑)。最初は使いこなせなかった本が、整体を続けるうちに少しずつ開く回数が増えていった。その本の年季を見ると、自分が身体を見る目も、それだけ少しずつ変わってきたのかなと思います。



