加藤公太+小山晋平 著/玄光社
『スケッチで学ぶ動物+人 比較解剖学』は、人間とさまざまな動物の骨格や筋肉を、スケッチを通して見比べながら学べる比較解剖学の本です。人間だけでなく、哺乳類や鳥類、爬虫類、魚類など幅広い生き物が取り上げられていて、それぞれの身体がどのような構造を持っているのかを、豊富なビジュアルから直感的に見比べることができます。
① この本を手に取った理由
人間の身体を解剖学的に理解するうえで、人間以外の身体の構造を知ることも良いのではないかと思ったのがきっかけでした。そこで動物の解剖、いわゆる「比較解剖学」の本を探していたところ、この本を見つけました。いくつかある本の中でも、内容がシンプルで見やすく、哺乳類だけでなく魚なども載っているところに惹かれて購入しました。
② 印象に残ったこと
実際に見てみて印象的だったのは、思いのほか人間と動物の身体が似ていることでした。特に哺乳類では、人間にもある「僧帽筋」や「中殿筋」などが、名前だけではなくその配置も含めて共通している。「まあ、当たり前なのかもしれない」とも思うのですが、こうして実際にいろいろな動物と見比べてみると、「本当に同じなんだな」と改めて実感します。一見するとまったく違う形をしている生き物でも、骨格や筋肉という構造まで見ていくと、共通しているところがたくさんある。それがとても印象に残りました。
③ 僕はこう感じた
この本の中には、人間があえて四足歩行の姿勢をとり、その状態で筋肉がどう見えるのかを描いたイラストもあります。それを見ていると、人間と他の動物に共通するものが見えてくる一方で、「二足歩行をする人間だからこそ、こういう骨格や筋肉の配置、形になったのではないか」という違いにも目が向きます。そうすると、「人間の身体の構造の特性とは何なのか?」「そこから見えてくる機能の個性とは何なのか?」と、さらにいろいろなことを考えたくなります。人間だけを見ていると当たり前に思えてしまう構造も、他の動物と並べて見ることで、その特徴が浮かび上がってくる。この本は、そんなふうに身体について考える幅と深さを広げるための良い資料だと思います。
④ 整体や日常とのつながり
整体という視点でも、こうした比較は「人間という生き物の身体をどう使うのか」を考えるきっかけになります。人間的な暮らし、特に二足歩行というあり方が、他の生き物との大きな違いのひとつだとすると、その違いから「人間の身体の構造に適した使い方とは何なのか?」「反対に、構造に適していない使い方とは何なのか?」と考えることができます。普段、当たり前のように立ったり歩いたりしていますが、人間もひとつの動物として捉えて、その骨格や筋肉の構造から身体の使い方を考えてみる。そういう視点は、実際に人の身体を見ていくうえでも大切だと思っています。
⑤ こんな人におすすめ
僕自身もそうだったのですが、一見すると人間とはまったく別の形をしている動物も、骨格や筋肉という「構造」を見てみると、共通するところが多々あります。それを見比べていると、人間もまた「動物である」ということを実感できます。この本は、そのきっかけになる一冊だと思います。
そのため、整体師やセラピストなど身体に関わる同業者はもちろん、一般の方にも見てもらいたい本です。専門的な難しさはほとんどなく、さまざまな生き物の身体の構造をビジュアルで直感的に見比べることができます。「人間の身体って、どうしてこんな形をしているんだろう?」そんなことに少しでも興味がある方なら、眺めているだけでも面白い一冊だと思います。



