第15冊目 河合隼雄のカウンセリング入門

河合隼雄 著/創元社

今回紹介するのは、河合隼雄先生の『河合隼雄のカウンセリング入門―実技指導をとおして』です。本書は、河合先生と生徒さんたちがカウンセリングのロールプレイを行い、そのやりとりをもとにカウンセリングについて考えていく内容です。特に、カウンセラーがどのような態度でクライエントと向き合うのか、「相手の話を聴くとはどういうことか」ということが、実際のやりとりを通して描かれています。単にカウンセリングの知識を学ぶというよりも、実技と議論を通して、カウンセラーとクライエントの関係について考えさせられる一冊です。

① この本を手に取った理由

これも前回#14で紹介した『セラピスト』と同様、当時働いていた職場で勧められた本です。

② 印象に残ったこと

この本では、カウンセリングについて、河合先生と生徒さん達がロールプレイをしながら、カウンセリングについての考え方、ここではカウンセラーの態度を主に議論し合う内容ですが、そのやりとりがまずリアリティがあって内容が入りやすく、「相手の話を聴くとはどういうことか?」ということを、まざまざと見せつけられた感じでした。それと、この本の中で河合先生が、クライエント自身が必ず自ずと解決に向けて立ち上がる、それを信じて待つ、というようなことをおっしゃっていて、それが今でもずっと頭に残っています。

③ 僕はこう感じた

カウンセラーと整体師は、とても通じるところがあると思いました。どちらも誰でもなることはできるけど、誰もが続けられるわけではない、ということが書いてありました。その話を読んだときに、まさに自分自身の仕事もそうだと思い、なぜか救われたような気持ちになったことを覚えています。

④ 整体や日常とのつながり

前回#14でも書きましたが、自分自身が整体師として、お客さんとどういう立ち位置でいるのか、ということを考えるきっかけになった本でもあります。それまでは、常にこちらがリードして、お客さんを導くということしか正解はないと思っていました。でも、それがなかなか自分には合わないと思っていた。そんなときに、この本を読んで、お客さんと横並びになって、いっしょに伴走していくという態度もありなんだと思えました。そして、それは自分にも向いていると思えた。それが今でも、自分の整体師としてのスタイルの核にはなっています。

⑤ こんな人におすすめ

やはり同業の人ですね。特に僕と似たようなタイプで、同じような悩みを抱えている人は、きっといると思うので。整体師やセラピストとして、お客さんをどう導いていけばいいのか、どんな距離感で関わればいいのか、自分はどういう立ち位置でいるのがいいのか。そんなことに悩んでいる人には、一度読んでみてほしい本です。僕自身もこの本を読んだことで、「こういう関わり方でもいいんだ」と思うことができました。人を導くことだけが、人のためになる方法ではない。横に並んで、一緒に伴走していく。今の僕の整体師としてのスタイルを考えるうえで、大きな影響を与えてくれた一冊です。