第四冊目のご紹介は内澤旬子著『身体のいいなり』です。
幼少期からなんらかの不調を抱え「腰は痛いものなのだ」が当たり前の生活を送る著者が、乳癌に罹患する。しかし、そこから自分の身体と向き合う中で、癌にかかる以前よりも元気になって行く。
それらの過程を冷静に、時にはユーモアがある表現も交えながら「自分の身体と向き合った時間」がとても丁寧に綴られています。
変に病気の恐怖心を煽ったものでなく、淡々と自分の身体に起こること、そしてその時の生活状況、その中での著者の感情、それらが結果「リアル」をとても力強く描きだされ、必見の価値ありです。
たびたび整体師なども出てくるので、患者さん目線で見れる所は同業の人にもおすすめです。
闘病記ものの中では、夏樹静子著の『腰痛放浪記 椅子がこわい』は「精神的由来の腰痛」の実際を実に濃淡に描いたものて有名ですが、腰痛で悩まれている方におすすめです。
一般的に腰痛といえば「椎間板ヘルニア」や「脊柱管狭窄症」などの物理的な現象で見聞ききする事が多いですが、一人一人の生活の背景があり、腰痛もまたそこから起きている現象なのだと、新たな視点を増やせることはとても有意義です。
※腰痛放浪記は、当店に置いてはありません🙏